虚馬ダイアリー

「窓の外」のブログ

やさぐれめくら伝 総括レイチ(ャールズ)

toshi202005-02-02



 レイ・チャールズの伝記映画「Ray/レイ」を見る。


 芸の為なら女も泣かすし、ヤクもやる。既成概念をうち破ってR&Bの流れを生み出した天才は、その生き様まで破天荒。体は弱いが気丈な母の教えを守り続け、盲目のハンデキャップすらものともしないバイタリティを手に入れた男の生き様。
 才能と世渡りの上手さの合わせ技で生き馬の目を抜く音楽業界を生き抜くレイ。過去のトラウマを振り払うために始めたヘロインにどっぷり浸かり、女性にも目がなく、結婚したあとも複数の愛人を抱える。だが、ヤクにはまればはまるほど、女に溺れれば溺れるほど、レイは才能に磨きがかかっていく。
 しかし…やがて訪れる、破綻。
 愛人の一人で、バックコーラスのマージーに子を孕ませたあげく捨て、彼女は後に麻薬中毒で横死。麻薬で何度も捕まるが、中毒は目に見えて酷くなっていく。


 成功を手に入れる影で荒んでいく私生活も、映画は赤裸々に描く。本人がこの映画化を了承したせいか、返って思い切り踏み込んだ作品になっている。こんな話にオーケーしたレイ・チャールズの器のでかさに感服する。


 帰りにサントラを買って聞いてたら、マージーのシャウトが聞こえてちょっと泣けた。