空港男とナポレオン子
…というわけで、「ターミナル」を見てきました。
これは空港に住み始めた異邦人と空港関係者が織りなすシチュエーションコメディ。
原案がアンドリュー・ニコルなので、話の構造は「トゥルーマン・ショウ」に近いのだが、演出がスピルバーグに委ねられたので、ほとんどの撮影がセットで進められたにも関わらず、照明やエキストラの制御は完璧で、違和感が全くないのは驚異。
国境という国の思惑の隙間に閉じこめられる皮肉と、そこに生きるマイノリティたちの人情噺をキャサリン・ゼタ・ジョーンズとの恋愛も絡めて軽やかに展開させるあたりは、スピルバーグという監督の力の一端をまざまざと見せつけられた思い。
まあ、脚本も悪くないのだけど、もうひとひねり欲しかったところだな。ひとつひとつのエピソードは魅力的なんだけど、それがうまいこと一本の流れとしてつながらない物足りなさがあるのも事実。
その辺に頓着しないあたりはアンドリュー・ニコルらしいかな。