虚馬ダイアリー

「窓の外」のブログ

鉄人28号最終回

 最終回なので、まとめ感想。

 第1回の明朗快活なイメージから勝手に期待していた俺が悪いのか。嘘のように陰鬱な話になっていく、変なシリーズになってしまった。正直「死んだと思ったら生きてた」とか「善人だと思ってたのに悪人…と見せかけて実は善人」とか、展開に飛び道具を使いすぎて、シリーズ全体のドラマが散漫になった印象はぬぐえないし、さんざん色んなテーマを放り込みながら最終回で結局「いいも悪いもリモコン次第」って結論に戻るのはどうなのか。


 脚本頼みのシリーズだったように思うんだけれど、クライマックスに正太郎の気持ちをナレーションが代弁する、というナメた真似をするなど、少々語り手の未熟さが目立つんだよなあ。ト書きすんなよそんなもん。あと少年探偵、という職業にツッコミを入れてしまったのも個人的には不満。そういうのはあえてスルーするのが粋ってもんじゃないか?
 ただ、高見沢秘書の自意識過剰なキャラぷりは、逆に当時のウーマンリブの戯画化っぽくてうまいとこもってったな、って感じですが。いや、当時の人知らないけど。


 昭和30年代、という時代の裏面史と鉄人28号を重ね合わせる着眼は良かったが、荷が重すぎたのかもしれませんな。ただ、劇場アニメ版製作が決まっているということなので、今度は明朗快活な正太郎少年が戻ってくることを期待したい。