虚馬ダイアリー

「窓の外」のブログ

「ブラザーフッド」と「タイタニック」

 「ブラザーフッド」を見てきました。これはあれですな。語り口がタイタニックなんですな。記憶が美化されてるところまで一緒。

 小道具大道具のディティールや、おおまかな事実考証にはきっちりこだわり、その上でキャラクター関係はあくまでわかりやすく色分け。
 「タイタニック」は狂言回しの貴族の娘がケイト・ウィンスレット、その恋人に美形度がピークだったころのレオナルド・ディカプリオ。そして周りの人間はあまり金のかからない俳優でお茶を濁し、彼らはざくざく死んでいく。
 一方、「ブラザーフッド」は狂言回しの弟にウォンビン、最愛の兄にチャン・ドンゴンとイケメン俳優で固めながら、周りの兵士は見事に平均以下の醜男たちで固め、悲劇の名の下に彼らもまた惜しげもなく死んでいく。
 そして恋人、兄弟を引き裂こうとする人間はどこまでも憎々しく!
 演出は恥ずかしげもなく堂々と大げさな「泣き」の演出をする点まで同じ。


 そして、重要なのは、映画本編はあくまでも「悲劇」の「追憶」である点。
 記憶というのは大げさに憶えていたり、美しく記憶されているもの。いくらおおげさでも、思い出というフィルターがかけられたとき、それは「本当」になるのだ。


 朝鮮戦争版「タイタニック」?



 まったく…これだから韓国は…。


 泣いちゃったじゃないか! (えー。


 いやー、好きなんですよ「タイタニック」。

 俺はあの映画は理想的な金のかけかたをした映画だと思う!

 あれは良い映画だと思う。稼ぎすぎちゃったせいか、登場人物を分かりやすい善悪でわけちゃったせいか、結構賛否分かれちゃった映画なんだけど、俺あの映画を悪く言えない。
 だって感動しちゃったんだもの。
 「タイタニック」の方法論を「ブラザーフッド」は知ってか知らずか、きっちり踏襲してる。ていうかストーリー、現代に生き残っていた狂言回しが遺品?をもらいにいくところまで一緒なんですが。
 …知っててやってるな、こりゃ。