虚馬ダイアリー

「窓の外」のブログ

2008年総評

 2008年最後の更新となります。



 今年後半は、忙しくて鑑賞数が激減して、「あれも見てない、これも見てない」という後悔がかなり残っているわけですが、来年はもう少しかつてのペースを取り戻すことが目標です。
 年末までガチガチで、正月映画もかなり見れてないので、そちらは来年のランキングに回ることになりそうな気配です。


 ではあたりがなかったか、というと決してそんなことはなく、むしろランキングに「あれも入らない、これも入らない」という嬉しくも哀しい悲鳴が、俺の心にこだましています。
 というわけで、今年も誰も真似しないけど自分では気に入っている、自分の映画の価値判断基準である「ポニョ、この映画すきー!」と「ポニョ、この映画すごいよー!」の2つを基準としたランキング、「すげえ」ランキング20本、「好き」ランキング20本を選定し、それをポイント制でかけあわせ、さらに各賞(この映画のキャラ大好きだからおまけっす!)をポイントを加点するシステムで「個人的ランキング」を作成いたしました。この独自システムで選びはじめて今年で6回目。
 誰か真似しないかな。


 今年は「凄い」と「好き」の重複作品が多く、かなりの大混戦。4位までの差がわずか1ポイントという、大接戦を制したのはなんと2作品。「ぐるりのこと。」と「つぐない」でありました。


 以下1作ずつコメント

1位「ぐるりのこと。」・・・まさかまさかの、同ポイントで第1位。このランキング、結構自分でも予想がつかないのですが、結果を見ると納得してしまう不思議なシステムで気に入ってるのです。2008年日本映画を代表する傑作だと思います。
1位「つぐない」・・・今年一番「やられた!」と思った作品で、そういう衝撃度では「ミスト」とは質的に異なる衝撃であり、その手並みの美しさはまさしくもっと賞賛されるべき手際だと思いました。
3位「ダークナイト」・・・今年、もっとも話題をさらった映画であり、なおかつジョーカーという衝撃的な悪役を放った映画であります。「ポニョ」と同ポイントながら、こちらに軍配を上げたのは、この映画に殉じたヒース・レジャーのその魂への敬意の分であります。
4位「崖の上のポニョ」・・・バヤオ御大の新作。僕は「千と千尋」に出会って以降、彼を「天才アニメーション作家」としてではなく「天才アニメ映画監督」として見るようになったのですが、より奔放になっていく、彼の生み出す「世界」にはやはり驚かされました。齢66にしてさらなる新たな扉を開けた感じがします。
5位「ミラクル7号」・・・好きな映画ベスト1にして、チャウ・シンチーの、新たなるステージに上がった映画だと思いました。とにかく好きすぎて、うまくコメントできません。
6位「歩いても歩いても」・・・セリフひとつひとつが、家族の30年を内包する重みがありながら、同時に軽やかでユーモアにあふれている。「誰も知らない」から「花よりもなお」を通過して到達した、ひとつの完成系を見た気がしました。是枝作品の最高傑作だと思います。
7位「ミスト」・・・ラストの衝撃度という点において、この映画に勝る映画はないと思います。安易に「好き」と言わせないあの結末なので、思い入れが重視されるこのランキングでは伸び悩んでいますが、この映画の公開は2008年を代表する事件だと思いました。
8位「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」・・・ダニエル・デイ=ルイス恐るべし!を実感する映画でした。この人の「人間力」の凄みは、ここ数作一環していて、あの「無敵」な感じの中に見せる哀しみこそ、彼の真骨頂だと思いました。
9位「WALL・E ウォーリー」・・・実は、個人的にウォーリーよりも、この映画に出てくる「人間」に衝撃を受けた映画だったりします。ウォーリーに対して多少感情移入が難しかった分、思い入れが削がれているのですが、近年まれに見る美しいアニメーション映画だと思います。、
10位「僕らのミライへ逆回転」・・・僕は年に何回か、「素晴らしい出会い方をした映画」があるのですが、この映画との「出会い」でかなり、自分が救われた、恩人のような映画でした。