虚馬ダイアリー

「窓の外」のブログ

爆笑問題・太田光の「華氏911」感想起こし。


爆笑問題が斬る!マイケル・ムーアアホでマヌケなアメリカ白人」(9/10深夜放送分)より抜粋。



田中「あと、あの、『華氏911』ね。今話題の。これ太田さん、見たんですか?」


太田「見ましたね。」


田中「どうでした?」


太田「これはね…『ボウリング・フォー・コロンバイン』とかこの番組(注:『アホでマヌケなアメリカ白人』)とかね、ふざけてるでしょ?マイケル・ムーア。『華氏911』はね、ものすごいシリアスですよ」


田中「あ、そうなんだ。」


太田「あんまりマイケル・ムーア自身も出てこないし、すんごい抑えたトーンから始まるわけね。なんつったって9.11の、あの貿易センタービルに飛行機が突っ込んだあの報告が、ブッシュ大統領が小学校で、なんか絵本読んでるんだけど、何やってんだか知らないけど、そこにその報告が入る、ってのを、先生が撮ってたんだねアレ全部。そのブッシュさんの表情ってのをずーっとカメラは冷静に捉えている。僕がどこが一番印象的だったってやっぱりね、冒頭(注:序盤)にそのシーンが出てくるんだけど、ものすごく印象的だったね。でマイケル・ムーアはあれで、「どうだ、この無能な大統領は!」って言いたいんだろうけど…って言うのは、報告受けてブッシュは何も出来ないんです。あの表情は見ておく必要があるね。呆然としてるんです。で、しょうがないから絵本読んだりなんかして」


田中「絵本読んじゃう(笑)。今までやっていたことをとりあえずやる。とりあえずね。」


太田「普通さ、「ナニー!」っつってさ。」


田中「『ちょっとごめん。これはとりあえず中止だ!中止だ!よし行こう!』って、じゃないんだ。」


太田「そうじゃない。報告を聞いたんだけど呆然としてなーんにも出来ないんだよ。これだけ無能なんですよということをメッセージとして(マイケル・ムーアが)伝えたいんだけど、それ以上のものが伝わってくる。

   『今アメリカがテロリズムによって、攻撃を受けています。しかもワールド・トレード・センターに飛行機が突っ込みました』って報告を聞いた時のあの人間の反応は、これはね、しょーがねえんじゃねえかなと思うくらい。誰でも頭真っ白になるんじゃいか。
   それはね、歴史に刻まれるシーンだと思うし、あれを見るだけでも(映画を見る)価値があるんじゃないかな。あの人間の、あの時人間の表情はどういう風になるかって、勉強になるね。これは、ちょっともらっとこうと思って。」


田中「いやいやいや。もらっておこうじゃない。」


太田「あの表情は何かに使えるんじゃないかって。」


田中「何かにじゃねえよ!」


太田「で、やっぱりね、「華氏911」ってのは、もちろん面白いし…あれなんだけど。


   要するに映像はね全部、色んなところから借りてきてる映像がつなぎあわさってて、ひとつとして新しいことはないんだけど。今までわかっていたことをつなぎ合わせただけなんだけど、これが如何に価値があるかだよね。今まで言われていることを淡々と検証していくってものなんだけど、それをね今まで断片的に聞いてたものを、だん!とこうやってまとまって、『アメリカってこうなんだぜ!』っつって見せられたときに、やっぱその衝撃は凄いものがありますね。

 だから言ってみりゃマイケル・ムーアの「華氏911」ってのはマスコミ批判でもあるんだよね。マスコミは今まで、政府の意向を汲んだプロバガンダしか流してこなかったんじゃないか。こんな映像がいっぱいあったのにそれを流してこなかったアメリカのマスコミはやっぱりどこか欠落してるんじゃないかと。で、それをね言ってる部分もすごくあると思うし、あれを見ちゃうと日本のマスコミも反省すべきだと思う。」

 


 さすがだ。こういう地に足ついた分析が出来るから、爆笑問題はやはり凄い。某監督などとは雲泥の差だ。