虚馬ダイアリー

「窓の外」のブログ

「アベンジャーズ」

toshi202012-08-30

原題:Marvel's The Avengers
監督・脚本:ジョス・ウェドン


 ★★★★★。



 えとま。そゆことで。結論から言えば満点です。字幕版、吹き替え版、IMAX版一通り見ました。飽きません。



 いろんな感想が出そろってる感があるし、語るべき人が語るべきことを語ってるエントリや読み物は充実してるんでそちらを読んだらいいと思うんですけどね。アメコミ詳しくないんで、そこまで語れないというのもあるし、いろいろなんかこう見る人は見るだろうし、と思いながら、何書けばいいか、いろいろ考えてたんですが、まあ、結局、シンプルに感想を書こうという結論に。見ていて思って「すごいな。」と思った部分はどこかというと。


 マーベルの看板役者が勢揃い、という豪華さと、「スーパーロボット大戦」的な様々な作品の枠を超えたクロスオーバーの面白さ、世界観がちがう者同士の夢の掛け合いが見られるわくわく感に、キャラごとのドラマと見せ場の配分をきっちりと計算しつつ、その計算を映画を見ている間観客に感じさせないというのが、まず驚異的なんですよね。すごいなー、と思います。
 ストーリーとしてはものすごくシンプルなんですよね。起伏の作り方もドラマツルギーも娯楽映画の王道とも言うべきもので、奇をてらわない。
 キーマン・ニック・フューリー長官の前に敵が現れる。マクガフィン的な「四次元キューブ」が奪われて、味方の何人かが敵の手中に落ちる。取り戻さねばならないから、それに関わるヒーローたちが集結して行方を追うけれども、それぞれ個性が強すぎて仲間内での心が一つにならない。敵を捕らえたけれども逆に攻め込まれて、悲劇が起きる。そして、心をひとつにしたヒーロー愚連隊は、最後の決戦へと向かう。


 この映画のすごさって、これだけめんどくさい要素がありながら、これほどシンプルな娯楽作として、なんも考えなくても身を委ねているだけで面白い、ということに尽きると思うんです。ノンストレス。初心者にもなんの問題もなく見られる間口の広さと、マニアも納得の完成度を見事に両立させる、って言葉にすれば簡単ですけど、早々にできることじゃないですよね。
 アメコミファンにとってのお祭り映画でありながら、なんも知らない人でも「すごく面白いエンターテイメント」として楽しめる。「アベンジャーズ」はその離れ業を、離れ業とは感じさせない形でやってのけてる。それがとにかく「すごい」としか言いようがない。


 最後の大決戦の「マーベル無双」とも言うべきアクションの盛り上がりもハンパなく、とにかくアドレナリンがドバドバでてきて、とにかく眼福の一言。ハルクとアイアンマンはちょっと突出しすぎですよね。
 ヒーローという人智を超えた力と個性を持つ人間たちが、互いの目的やエゴでぶつかりながらも、やがて共通の敵に心をひとつに立ち向かっていく。力強いお祭りシリーズの「第1部」は文句のつけようがなく、まるでマキノ雅弘監督の「次郎長三国志」シリーズのような、娯楽映画の傑作として大いに評価されるべきだと思いましたね。むろん、大好き。(★★★★★)


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