久しぶりに今年の映画10本を選んでみたい。
お久しぶりです。えーと。去年、一昨年は完全スルーしてしまった「ベスト10」を久々にやってみたいと思います。部屋の大掃除と並行してやってる、書籍の自炊作業の合間にお送りします。
なんと言っても更新量がいまひとつな上に、鑑賞量が落ちていて話題作の見逃しも数多いワタクシではありますが、1年のまとめということをやって、臥薪嘗胆を来年につなげることが、今、私が出来る精一杯のことなのだと思うのです。
では行きます。
10位「コクリコ坂から」
- 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
- 発売日: 2012/06/20
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えーと、決して傑作でないのはわかります。承知です。しかし、私だけは宮崎吾朗監督の味方であり続けることをここに宣言しておきたい。数年前、私がネットでケンカした数少ない理由でもありますし、その彼がこのようなカタチで監督として前進する意志を指し示した作品を肯定しないわけには参りません。少なくとも、演出では上であろう「借りぐらしのアリエッティ」よりもこちらの方が断然好きです。天才である親父に爪痕を残そうともがく、「凡才」息子の七転八倒の行方に期待します。
9位「ハリー・ポッターと死の秘宝」
ハリー・ポッター 第1章?第7章PART2 コンプリートブルーレイBOX(12枚組)[初回数量限定生産] [Blu-ray]
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コアな映画ファンこそ無視しがちだけど、今年は「ハリポタ」完結の年ですよ!と高らかに言っておきたい。言っておくべきなのだと思います。このような長大な物語を見事な大団円で締めてみせたことは、もっと、もっと評価されてしかるべき。さまざまな監督がつないできたバトンが、最後に最高の盛り上がりでゴールを迎えたことは、本当に希有なことであります。このシリーズに関わった、製作者・出演者の皆さんに最敬礼であります。
8位「X-MEN: ファースト・ジェネレーション」
X-MEN:ファースト・ジェネレーション 2枚組ブルーレイ&DVD&デジタルコピー(ブルーレイケース)〔初回生産限定〕 [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
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人気シリーズの「前日譚」というくくりがありながらも、前シリーズへのオマージュを捧げつつ、「プロフェッサーX」ことチャールズ・エグゼビアと「マグニートー」ことエリック・レーンシャーの、若き日の青春模様を活写してみせた辺りが、とにかく新鮮で面白かった。後に伝説となる2人がそれぞれの道を行くことになる「過去」を描きつつも、軽快に物語をさばいていく娯楽映画としてのさじ加減もお見事。
7位「ソーシャル・ネットワーク」
- 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- 発売日: 2011/12/21
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現代の成功者の伝記映画でアリながら、それを叩き台にして現代の神話として、成功の裏に張り付いた孤独を描き出したセンスが素晴らしい。富も名誉も、そして「セカイ」をも生み出した男が、自分が生み出した「セカイ」ごしにでしか最愛の人を見つめられない、ラストシーンのジェシー・アイゼンバーグが実にいい。
6位「塔の上のラプンツェル」
塔の上のラプンツェル DVD+ブルーレイセット [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
- 発売日: 2011/07/20
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震災後に初めて見た1本という、タイミングもあるでしょうが、ジョン・ラセターが本家ディズニーに蒔いた種が、見事に開花したことを感じさせる、会心の1本だと思います。監督の前作「ボルト」がピクサー・オマージュだったのに対して、今回は堂々たる「ディズニー・ブランド」を背負って立つ気概を見せつけたことも大きい、大収穫の1本だと思います。
5位「アンストッパブル」
アンストッパブル ブルーレイ&DVDセット〔初回生産限定〕 [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
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多分、今年のベスト10企画にはかすりもしないだろうけど、後味爽快な娯楽映画でありまして、しかも活躍するのがエリートでも天才でもなく、それぞれに人生行き詰まったブルーカラーの労働者が英雄になる物語を、一労働者としては是非とも今年の1本として残しておきたかった。どんな人間でも、誰かを守るために、人は命を張って戦うことがあることを示した傑作だと思います。労働者諸君、見るべし。
4位「探偵はBARにいる」
探偵はBARにいる 【Blu-ray1枚+DVD2枚組】「探偵はここにいる! ボーナスパック」
- 出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメント
- 発売日: 2012/02/10
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テレビ局主導のいわゆる「邦画バブル」と言われて久しく、そのことはまるで害悪のように言われてきたけれど、その流れの中でこの映画はひとつの「徒花」として語られるべきなのではないかしら。世間の「良識」から少しずれたところで背伸びしながらつっぱって生きる探偵の「俺」を巡る世界観は、「相棒」というドラマシリーズのスタッフが集結したがゆえの作り込みで、すぐに「シリーズ化」が決定したのも納得。新世紀のプログラムピクチャー復権を見せて欲しい。
3位「ミッション:8ミニッツ」
- 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
- 発売日: 2012/03/21
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荒唐無稽な部分もありながら、その先へと踏み込んでいく物語が圧巻。列車爆破テロが「死までの8分間」を何度も繰り返すことになった男がやがて見る、「死の先にある」風景は3/11を通過した日本人の心にド直球を投げ込んでくる。
2位「メアリー&マックス」
- 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
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1人の美少女ではない孤独な少女と、1人の明らかに成功者ではない孤独な40過ぎの男が、20年間の文通というかすかなつながりの中で、2人の人生の波瀾万丈をストップモーションアニメで描きながら、「それでも、それでも人生は素晴らしい」ということを高らかに歌い上げた傑作。
1位「大鹿村騒動記」
- 出版社/メーカー: TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
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原田芳雄さんの遺作として話題になった本作ではありますが、人生を通して「役者」でもあり続ける村人たちの人間模様をイキイキと活写して、「俳優/女優」たちの裏の人生の悲喜こもごもを想像させる映画の構造がまた見事であり、後味も「俺はこういう映画を見たくて映画を見ているのだ」と、俺に思い出させてくれた、感謝してもしたりない作品であります。来年もこういう映画に出会いたいです。本当に。
来年もどうか、イイ映画との出会いがありますように。